気象業務法と気象庁検定

Q & A : レーザー式積雪深計

Q : どうしてレーザー光で積雪が測定出来るのですか
A : センサーから雪面に向けレーザー光を発射し、雪面からの反射光を受光するまでの時間や位相の変化から空間の距離を求め地表面からの高さの差から積雪深を計測します。

Q : どうして最近はレーザー積雪深計が多く採用されているのですか
A : 積雪の観測には、超音波式を用いることが多かったが、(1)積雪面が水平で無い場合、音波の雪面からの反射が送受波器に届かない事がある、(2)新雪の積雪面の下に密度の高い従来の雪面があると、音波が新雪面を突き抜けて従来の雪面を捉えてしまう(もぐり込み現象と言っています)と言った短所が無いので、最近ではレーザー式を採用する観測所が多くなっています。

Q : 温度計がついていませんが、温度補正は必要無いのですか
A : 超音波式では、音波の速度が温度により変化するので温度補正のための温度計を備えておりましたが、レーザー式では光の速度は気温の影響を受けないので温度補正は必要ありません。

Q : レーザー光は危険ではないのですか
A : 可視光領域のクラス2と言う比較的弱いレーザー光を使用しており、人は光源を見ると眩しいので目をつぶることで、網膜を保護します。
しかし、故意に見続けると眼に損傷を与える事が懸念され無人の観測所では採用が控えられていましたが、最近では人感センサーにより人や動物が近づくと自動的にレーザーの照射を停止するフェールセイフ機構と組み合わせ安全性が高められた事から採用件数が急増しています。

Q : レーザー式積雪深計で観測出来ない気象条件は無いのですか
A : どの様な計測器でも長所、短所があります。
例えば、超音波式積雪深計では、強風時には音波が流され計測出来ない事があります。
レーザー式の場合には深い霧の発生で光の散乱が極端に大きい場合、計測出来ない事があります。
しかし、通常の降雪では雪の間をぬって光が通過するので計測出来ないことはありません。
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